Vol.001
庭は暮らしの豊かさの象徴

 
私が子供の頃はまだ、暮らしの豊かさと言えば、自動車を所有していることだったり、テレビやビデオ、エアコンといった次々と進化する電化製品を所有することでした。
今、世の中には便利なものが満ち溢れています。周りを見ても、自動車や様々な電化製品など必要と思われるモノは揃っているという家庭が大半でしょう。
日本はこのように物質的豊かさを求め、今では成熟した世の中になって来たと言えるでしょう。しかし、その中で本当に大切な事が軽視され、失われてきたとも感じます。
 
現在において「暮らしの豊かさ」と言えば心の豊かさではないでしょうか?
 
例えば、
身近な自然・里山・雑木林・田畑そして自然界への畏敬の念。これらが失われると、人の暮らしは自然界から大きく踏み外すこととなり、環境破壊による自然災害や公害など様々な問題を引き起こす様になるでしょう。
その様なことにならない為には、まず一番身近な自然を感じることだと思います。
それが現代の庭なのです。
その現代の庭で私たちは、心の豊かさを取り戻さなくてはなりません。
建物と庭は「暮らし」の中で同じような役割を担っていると思われますが、あえて、建築と作庭を分けて考えて見ます。
暮らしの中で建築は、動線、使い勝手など多くの制限の中、機能性と両立さながら、デザインやインテリアなど情緒的な豊かさを演出しています。
一方、作庭では同じように動線、使い勝手など機能的な制限はありますが、建築ほど制限が強いとは思いません。それよりも、窓から何が見えるのか、どの様に自然を感じるかを重視します。それを感じることによって、日々の暮らしを豊かにしてゆきます。
ですから「庭は暮らしの豊かさの象徴」と、声を大にして言いたいのです。
 
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